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『2台のマリンバのための嬉遊曲』〜横山菁児1周忌によせて

  • 2018/7/8 16:23
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  • .Nat Zone in ビデオ, 音楽, キャプテンハーロック, ディベルティメント, マリンバ, 嬉遊曲, 横山菁児, 聖闘士星矢

本日は、「宇宙海賊キャプテンハーロック」や「聖闘士星矢」などの作曲家として知られる横山菁児さんの1周忌です。テレビの付随音楽の作曲家として主に知られている横山菁児さんですが、クラシックに分類されるであろう曲も書いておられます。『2台のマリンバのための嬉遊曲』はそんな曲の一つで、1974年に、草刈とも子 藤井むつ子により委嘱され作曲された作品です。マリンバという楽器の魅力を十二分に引き出した名曲だと思います。

ご紹介する演奏は、小田もゆる・崎村潤子の1997年のライブです。ちょっと探した限りでは、全曲演奏の録音はこれしか見つかりませんでした1。速い楽章はあくまで早く、緩徐楽章はたっぷり聞かせる、割にしびれる演奏です。

お楽しみください。

Identiverse 2018 (ボストン)に出演します。

  • 2018/6/24 14:34
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  • .Nat Zone in Events, identity, Identiverse, API, oauth, Open Banking

6/24, 6/25 と3コマに渡ってボストンで行われる Identiverse 2018 に出演します。告知が遅くなってごめんなさい。Twitterではしていたのですが…。よりタイムリーな情報のためにはぜひ、twitteryoutube をフォローしてください。

テーマは、

  • Securing your API beyond basic OAuth (現地時間 24日15:00~15:25)
  • Panel: The Business of Open Banking(現地時間 25日 10:05~11:05)
  • Panel: The Technology of Open Banking (現地時間 25日 14:35~15:35)

です。

(source) https://twitter.com/Identiverse/status/1008956324896485376/

 

 

<速報>米最高裁、携帯電話位置情報は憲法で保護されると評決

  • 2018/6/22 23:55
  • sakimura
  • .Nat Zone in アメリカ, プライバシー, 政治, 法律, 位置情報, 携帯電話, 最高裁

EFFのツイート1で気がついたんですが、アメリカの最高裁で、携帯電話の位置情報は合衆国憲法修正第4条2で保護されると、5対4と接戦ではありましたが、評決したようです。

すでにあちこちで記事が出始めています。

これは最近の米国での「技術の急速な発展によって、従来の考え方ではプライバシーは守れなくなった」との認識に沿った判決で、既に判決が出ている、「令状無くGPS機器を使って車両を追跡してはいけない3」「令状なくして携帯電話を探してはいけない4」という判決の延長線上にあるもののようです。

ジョン・ロバート最高裁裁判長によると、携帯電話の位置情報の時系列の取得は、

  • 車はそこから離れることができるが、携帯電話は多く場合携帯が義務付けられている。
  • 携帯を持った状態で、病院、私邸、政治的運動の拠点などを通る。これらの位置情報はプライバシーを暴く。

というような点で車をGPSで追跡するよりも大きなプライバシーリスクを孕んでいるので、このような判断になるということのようです。

T-Mobile US でのプリペイドSIMプラン「PAYG」用 Data Pass の買い方

T-Mobile US は、PAYGという月額3ドルで電話番号をキープできるサービスを提供している。Google Hangouts などには米国の番号が必要だから、このサービスはとても重宝する。ただ、このプランにはデータが全く付いていない。データ通信を行うのには、Data Pass というものを買い足す必要がある。

Data Pass は 2018/6/22 現在、以下の2種類がある1

  • 1GB 7日間有効 US$10
  • 500MB 1日有効 US$5

1GBプランは、高速通信が1GBまでで、それを超えても無制限に低速通信はできる。しかも、テザリングも可能であるというとても便利なオプションなのだが、なんとWeb上からは購入できない。以前はコールセンターに電話をかけて直接人と話さないとだめという、とてもハードルが高いものだったが、最近は自動音声応答でできるようになった。

方法は、以下の通りだ。

  1. T-Mobileの電話から 611 に電話をする。
  2. なにをしたいのか聞かれるので、「Add a data pass」と答える。
  3. PINを聞かれるが、わからなければ、「I don’t know it」と答えることで突破できる。
  4. 3つのオプションが提示される。(1) 無制限電話とTEXT (2) 1日パス (3) 7日間 Data Pass。キーボードで3を押す。
  5. 確認を求められるので、「Yes」と答える。
  6. すると、うしろでピコピコとキーを打つ音が聞こえて手続きが完了する。

概ねこんな感じだ。

Data Pass は数分以内に有効になるはずだ。

しかし、こういうのって、きっとGoogle Assistantが裏でGoogle Duplex つかってやってくれるようになるんでしょうね。そうすると、外国人にも使いやすくなるのですが…。

 

日本の病の原因「決められない病」。「PDCA病」「MBA病」とも。

  • 2018/6/11 22:04
  • sakimura
  • .Nat Zone in 経済, MBA病, PDCA, PDCA病, PDSA, 日本病

なんか、FBでこんな記事が流れてきました。

シリコンバレーと深センを回って判明「PDCAが日本の病の原因だ」

君たちは「決められない病」の患者か?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/55957

この記事で「決められない病」と言っている病気、またの名を「MBA病」とか「PDCA病」ともいいますな。

MBA病もPDCA病も病根は同じで、PDCAやらMBAで教わることの本質を理解しないで言葉づらだけを追いかけるところにあって、典型的には「計画(Plan)」の意味を取り違えるところに特徴があると思う。

PDCA(本当はPDSA1)でいうPlanは、エクセルで事業計画を書くこととかじゃなくて、現状のプロセスに加える小さな変更案のことで、それを小さく実施し、その結果をCheck/Studyし、結果が良くなっていれば全体に投入(Act)するという、今的にいえばA/Bテスト的な手法のことなんだけど、なんだか全然違うことになってますよね。MBAだって、すごい時間かけて机上の計画立てろなんて教えないでしょう?そんなことしてたら会社潰れるもん。特にベンチャー。

まぁ、そういう意味では、この記事もPDCAの意味を取り違えていて、同じ病に侵されているわけですが…。2

 

ベートーヴェンが求めた「月光」の響き

  • 2018/5/27 3:04
  • sakimura
  • .Nat Zone in 音楽, Beethoven, Moonlight Sonata, Op.27 no.2, ツィンバロン, パンタレオン, ピアノ・フォルテ, ベートーヴェン, 月光ソナタ

“Sonata quasi una fantasia” (幻想曲様ソナタ)1、通称「月光ソナタ」(op.27, No.2) 2は、ベートーヴェンの数あるソナタの中でも最も演奏される機会の多いソナタでしょう。

その冒頭には、曲想を決定づける2つの演奏指示をベートーヴェンが入れています。図1にある、「Si deve sonare tutto questo pezzo delicatissimamente e senza sordini(曲全体、ダンパー無しで最高に繊細に聞こえなければいけない)」3と、それを更に補強するかのごとく段の中に書かれている「sempre pianissimo e senza sordini(全体を通してピアニッシモで、ダンパー無しで)」4です。

(図1)ベートーヴェン『月光ソナタ』(初版)冒頭部分

この指示を理解するには、ベートーヴェンが想定したピアノの構造を理解しなければなりません。

まず、説明が簡単な「sempre pianissimo e senza sordini(全体を通してピアニッシモで、ダンパー無しで)」が何を意味しているのかを解説しましょう。

ベートヴェンが使っていたAnton Walter5のピアノ・フォルテには、弱音器が装備されていました。現在でも多くのアップライトピアノには、ハンマーと弦の間にフエルトの布を挟み込む機構がありますよね。あれです。当時のピアノのハンマーは革でできていて、比較的硬い音がしましたが、この「弱音器」を使うことによって、フエルトのもたらす柔らかい音を出すことができるようになるのです。ベートーヴェンの「sempre pianissimo e senza sordini(全体を通してピアニッシモで、ダンパー無しで)」は、この弱音器を使うようにという指示と思われます。

次に、「Si deve sonare tutto questo pezzo delicatissimamente e senza sordini(曲全体、ダンパー無しで最高に繊細に聞こえなければいけない)」です。

この曲が書かれた当時のピアノは、ダンパーの操作が、手でレバーを引いてダンパーを上げるハンド・ストップ(図2)6から、膝でダンパーを上げるようになる(図3)7のの端境期でした。

 

(図2)当時のピアノ・フォルテのダンパー機構「Celestial Stop」(出所)Tom Beghin: Beethoven’s “Mondschein” Sonata, Opus 27 No. 2 and the Undamped Register

 

(図3)ピアノ・フォルテの膝レバー (出所)Tom Beghin: Beethoven’s “Mondschein” Sonata, Opus 27 No. 2 and the Undamped Register

ベートーヴェンが使っていたA. Walterのピアノ・フォルテはこのような「膝ペダル」を持っていましたが、ここではベートヴェンは「旧式」のピアノ・フォルテ8のように、ダンパーを上げっぱなしにすることを求めているのです。

この「ハンド・ストップ」の別名は「Celestial Stop(天のストップ)」であり、「残り続ける残響を上手く処理することができるなら、幻想的な即興をするときには、非常に喜ばしい結果を産む。」とC.P.E.Bachが1762年に書いているものになります9。ベートーヴェンは正にその効果を求めているのです。そのことは、ベートーヴェンの秘書であったアントン・シントラーが1850年代にベートーヴェンの伝記の改訂版を出した時に「現在のピアノは響きが長すぎるので、このベートーヴェンの指示は適切でない。」と書いていることからもわかります。これは、現代のスタインウェイなどのピアノにも当然当てはまり、音が濁ってしまうために、コード毎にペダルの踏み変えが必要になります。こうすると、バスの旋律が強調されることになり、ベートーヴェンの意図した音楽とややズレが出てきてしまうことになります。

ベートーヴェンが指示したとおり、ダンパーを上げっぱなしでA. Walterのピアノで弾くとこうなります。

霧の中を漂うような、なんと美しい響きでしょうか。この事を紹介してくださっているTom Beghinさんの演奏で、ぜひ、全曲を通して聞いてみたいところですが、Youtubeには上がっていないようなので、同じくA.Walterのピアノ・フォルテで全曲演奏したものを最後にご紹介しておきます。お楽しみください。

 

 

 

メリー・プリヴマス

GDPRが施行される今日この日「5月25日」を、毎年「プリヴマス」として祝おうというDoc Searlsの提案に賛同して…

Happy birthday to you
Happy birthday to you
Happy birthday dear GDPR
Happy birthday to you

Merry Privmas!

OpenID Certification Program が2018年EIC賞を受賞しました

  • 2018/5/18 6:10
  • sakimura
  • .Nat Zone in EIC, identity, OpenID, セキュリティ, EIC Award, OpenID Certificaiton Program

【ミュンヘン 5月17日】OpenID Connect の実装が、仕様に準拠しているかどうかを確認するためのツールであるOpenID Certificationプログラムが、Identity界でのもっとも権威ある賞、『2018年European Identity and Cloud Award (EIC賞)』の「ベスト・イノベーション賞」を受賞しました。(詳細はこちら)

OpenID Certification Programが属するAB/Connect WGの共同議長達
(左)ブラッドレー氏 [共同議長] (中央)本プログラムのリードであるジョーンズ博士 [共同議長] (右)筆者 [議長](写真上)ウメオ大学(写真下右)ヘドバーグ研究員の研究室(写真下左)このときのホワイトボードの一部

OpenID Certification Program の端緒は、「総務省 平成24年度 戦略的国際連携型研究開発推進事業」(2012年)において委託を受けた「情報流通連携のためのオープンなID連携プラットフォームにおけるプライバシー保護機能の高度化の研究開発」(PEOFIAMP: Privacy Enhancement for Open Federated Identity/Access Management Platforms)にあります。同研究は、日本の研究機関が外国の研究機関と共同で実施する研究開発課題の提案に対して研究開発の委託を行うもので、PEOFIAMPでは、OpenID関連については野村総合研究所がスウェーデンのウメオ大学(Umeå University)のローランド・ヘドバーグ研究員(当時)と連携して研究を行いました。この研究の中で生まれてきたのが、OpenID Connectの実装テストを行うリファレンス・テスト・スイートを作ることで、主にヘドバーグ研究員がGÉANTの資金を使って最初のバージョンを作成、これをテストするリファレンス実装を野村総合研究所が作成1するとともに、法律的側面の詳細を詰め、「自己認証」としての「OpenID Certification Program」が2015年4月に開始されました2。その後、順次拡大して行き、現在では82の実装が自己認証をしています。

今回の受賞は、こうした継続的活動が評価されたものです。

なお、筆者らのこれまでのEIC賞受賞は以下のようになっており、今回は4年ぶり4回目の受賞となります。

  • 2014年 「JWT及びJOSE」
    Special European Identity Award for Best Innovation for Security in the API Economy
  • 2013年 「OAuth 2.0」
    Best Innovation/New Standard
  • 2012年  「OpenID Connect」
    Best Innovation/New Standard

 

 

 

データは誰のものか〜European Identity Conference 2018 Featured Session

  • 2018/4/29 10:43
  • sakimura
  • .Nat Zone in Blockchain, Events, identity, セキュリティ, プライバシー

4月13日午後9時55分、ふと思い立ってKuppinger Cole のMartin Kuppinger と Joerg Reschに「Facebook, mydata, and Self Sovereign Identity」と題したメール1を出しました。実は、EIC 2018でSelf Sovereign Identity についてキーノートをやらないかと言われていたのにほったらかしにしていて2立ち消えになっていたのが気になっていて、せめてこういうことを考えているということを伝えておこうと思って出したのです。

その30分後、あたらしいパネル・セッションができていました(笑

パネリストは、『インテンション・エコノミー』のドク・サールズ、「Active Directoryの父」キム・キャメロンなど、今のところ超豪華版です。なかなか面白い議論ができるのではないかと思っておりますので、ヨーロッパにお立ち寄りの際はぜひお越しください。

 

 

OAuth-J, ネットワーク強靭化に対応したOAuth Optical Transport Profile を発表。仮想通貨技術を応用。

  • 2018/4/1 9:00
  • sakimura
  • .Nat Zone in OAuth, oauth, ネットワーク強靭化, ブロックチェーン, ペーパー・ウォレット, 仮想通貨

【AF電 東京】OAuthファウンデーション・ジャパン(OAuth-J)は2018年4月1日、インターネット分離にも対応したOAuthの新たなプロファイル、OAuth Optical Transport Profile (OAuth OTP)の策定を開始すると発表しました。

OAuth [RFC6749] はGAFAM (Google, Apple, Facebook, Amazon, Microsoft)は言うに及ばず、携帯電話会社、銀行、航空会社、マスコミ、政府機関等に広く使われているAPI保護技術でAPIエコノミーの中核をなす技術ですが、通信プロトコル(トランスポート)としてはHTTPSに依存するため、昨今のネットワーク強靭化の流れによってインターネット分離が行われた環境では、クライアントが内部ネットワークに存在し、認可サーバがインターネット側に存在1するなどのように、複数の接続されないネットワークにサーバが分散してしまうと、処理が実行できないという難点がありました。そのため、ネットワーク強靭化をほどこすと、APIエコノミーから取り残されてしまうリスクがありました。

OAuth OTPではこの課題を解決するために、HTTPSに代わり内部ネットワークと外部ネットワークの間で使う光学トランスポートを導入します。具体的には、ブロックチェーンを使った仮想通貨取引の安全性を上げるためにしばしば使われるペーパー・ウォレットで使われている二次元コード技術を使い認可要求と応答を紙に印刷し、それを逆側ネットワークに接続した光学リーダで読み込むことによって処理を行います。要求の二次元コード化にあたっては、4桁のNonceと呼ばれるユニークIDを別途生成しその中に含め2、応答にも同じIDを含める3ことによって、コード挿入攻撃4にも対応します。また、紙を光学リーダで読み込む形をとるため、USBメモリを使う方法と異なり、サプライチェーン汚染5を通じたBadUSB6攻撃にも対応しています。

OAuth Optical Transport Profile は、ブロックチェーンを用いた仮想通貨取引にも使われるペーパー・ウォレット技術を利用しているため、BadUSB攻撃などにも対応。

なお、本規格案は、この発表に先立ち、2017年度中にIETFにI-Dとして提出する予定でしたが、エディタのナット・崎村氏によると「エイプリルフールだからといって、2017年度が終了したなどとの悪質な嘘を着くことは許されない。」とのことで、本日段階でまだ提出は行われておりません。

OAuth-Jのエグゼクティブ・ディレクターであるノヴ・真武氏は、本件についての期待を以下のように述べております。

「本規格案は、多くの日本の組織をAPIエコノミーからの脱落から救う決定打であるが、この恩恵は日本だけでなく、それを見習うアジアその他の多くの組織にも広げられるだろう。そのため、OAuth-Jとしては宇宙標準化機構(Universe Standardization Organization)へも規格案を提出し、USO番号も取得したいと考えている。番号としては800番台の取得が望ましいと考えているが、昨今の番号振り出しの状況をみると、希望が通るかどうかは予断を許さない。」

4月2日追記

4/2 にネタバラシするのがマナーらしいので書きますが、これ、ちゃんと動くと思いますよ。使いみちがあるかは要検討ですが。ちなみに、図中のQRコードは本当にOAuthのRequest/Responseになっています。ただし、Codeフローになっています。実際に分離ネットワークで扱う場合にはCodeフローだともう1往復しなければならないので現実的ではありません。Implicitにすべきでしょう。

その場合、Access Tokenが平文でQRコードに印刷されてしまいます。このような作業をする場所には当然監視カメラを設置するでしょうから、その画像などから漏れて当該Access Tokenが使われる恐れが出ます。なので、Access Tokenは、暗号化するか、Sender Constrainedにする必要があります。前者はRFC6749でカバーできなくなりますし、その他のことで漏れたときの影響もあるので、後者が良いでしょう。その場合、Client は事前にASに自らのPublic Keyを登録しておいて、ATにkeyhashを入れ、MTLSと組み合わせて使うような形が考えられます。そうすれば、リソースが内部ネットワークにあるのであれば、外部ネットワークへの接続は必要なくなります。リソースが外部ネットワークにある場合は、データ取得までを外部ネットワークで行って、データを内部ネットワークに持ち込んでから作業をするのが現実的でしょう。

また、QRコードを印刷するときに、その有効期限は人間が読めるように印刷するべきだなと思います。そして、それが過ぎたら廃棄か、アーカイブ行きですね。

プライバシーの保護と情報銀行の責務

  • 2018/1/19 8:00
  • sakimura
  • .Nat Zone in プライバシー, FCRA, GDPR, ISO/IEC 29100, 情報銀行

昨年閣議決定されて以降、各所で話題になっている「情報銀行」に関して、去る1月16日に、慶應大学でシンポジウムが開催されました。第5回情報銀行コンソーシアムシンポジウム「『情報銀行』の実現へ向けて」です。その際のパネル・ディスカッションで10分ほど頂いて「プライバシーの保護と情報銀行の責務」というお話をさせていただきましたので、そのプレゼンを共有します。みなさんのお役にたてば幸いです。

この後のディスカッションも非常に興味深いものでしたが、それに関してはまた後日にでも。

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イノベーションを阻害する決まり文句

この記事『言った本人も気づかない「イノベーションを阻害する決まり文句」とは』(校條 浩)1に禿同。本当にこればっかり。

社長は「私だって新規事業は立ち上がってほしい。だから、君たちの案がどれだけ確実に事業となるのか、私を納得させてもらいたいのだよ」と言った。
実はこれこそが、イノベーションを阻害する決まり文句だ。言った本人すら、これがイノベーションの芽を摘んでいることに気が付いていないのである。
過去の成功体験に縛られている「賢い大人」を最初から納得させることは不可能だ。もし逆に納得させられる案であったら、それはイノベーションから程遠いと考えるべきだろう。そもそも最初から未来の全貌は見えない。ザッカーバーグの言うように、行動を通して失敗と成功のサイクルを回していくしかないのだ。
(出所)校條 浩『言った本人も気づかない「イノベーションを阻害する決まり文句」とは』DIAMOND.JP

確か、ソニーの井深さんだか森田さんだかが、

取締役の8割が反対するくらいでちょうどいい

旨のことおっしゃっておられましたね。

机上検討で成功が説明できるような事業は既に負けています。自分たちだけが思いついているというのは思い上がりで、必ずどこかに同じことを考えている人が複数いるはずです。論理的にそれが成功するのだったらきっと参入してきて、結果、競争が激しくなり、収穫逓減市場では利益はゼロに、収穫逓増市場では赤字で終わるからです。成功する事業は、儲かりそうもない事業〜つまり他社が参入してこない事業〜をたくさん手がけるうちにたまたま出るものです。

ソニーの「ウォークマン」もアップルの「iPhone」も、出てきたときは「失敗が約束された」製品ですよね。覚えていますか?ウォークマンに対しては「町で音楽を聴く人などいない」、iPhoneに対しては「キーボードがない電話なんて使えない」といわれていたのを。両者とも、消費者にニーズを訊いたら否定されたはずの商品です。

本当は「論理的に成功が約束された事業は必ず失敗する」ことなど、「論理的にわかる」はずなんだけど、なぜか「賢い大人」はわかってないみたいですよね。何でですかね。え、わからないって?マジですか?初級経済学からやり直しましょう。

言った本人も気づかない「イノベーションを阻害する決まり文句」とは
今、再び米国シリコンバレーに注目が集まっているが、その真の姿は知られていない。現地に25年以上在住し、現在も投資家として活躍する“インサイダー”である…
DIAMOND.JP

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来月出るブロックチェーン本が、既にAmazonの「証券・金融市場 の 売れ筋ランキング」の1位になっているみたいです

わたしも一章を担当した『ブロックチェーン技術の未解決問題』という本が、来年の1月18日に出版されます。
既に予約可能ですが、なんと今、Amazonの「証券・金融市場の売れ筋ランキング」1位に輝いているようです。きっとすぐ落ちちゃうだろうから、これは魚拓を取っておかないとですね。

Amazonの「証券・金融市場の売れ筋」ランキングで1位!(2017/12/16 0:30)

 

まずはめでたい。皆様ももしよろしければ、ご予約お願い致します。とても良い本だと思いますよ。

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季節のご挨拶:『Cantique de Noël (O Holy Night) 賛美歌:第二編219番』に寄せて

  • 2017/12/16 15:33
  • sakimura
  • .Nat Zone in のだめカンタービレ, ビデオ, 音楽, flute, フルート, 季節のご挨拶

ことしもお世話になった皆様へ
今回は、Adam の 『Cantique de Noël』 をフルートとピアノで演奏しました1

『賛美歌:第二編219番 さやかに星はきらめき』としてのだめカンタービレの「ロバの教会」のシーン(第13巻 P.29)2 でも出てきます。

このシーンです。

(出所)のだめカンタービレ 「ロバの教会」のシーン(第13巻 P.29 )写真は筆者。

 

この曲は、 Adolphe Adam が 1847 にワイン商で詩人のPlacide Cappeau (1808–1877)の書いたフランス語の詩 “Minuit, chrétiens” (Midnight, Christians) につけた曲です。フランス語のオリジナルや英語版でもイエスの誕生と人類の救済を取り扱っています。日本では賛美歌第二編219番として知られます。

さやかに 星はきらめき、
み子イエスうまれたもう。
長くも闇路をたどり
メシヤを待てる民に、 新しき朝はきたり
さかえある日はのぼる。
いざ聞け、み使いうたう
たえなる天つ、み歌を、
めでたし、きよしこよい。
(出所)http://www.senzoku.org/2-219.htm (2017/12/16取得)

やすらかな年の瀬を皆様へ。

のだめカンタービレ関連の記事

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API Days Paris に出演します(2018年1月30日, 31日)

  • 2017/12/7 19:53
  • sakimura
  • .Nat Zone in Events, OAuth, OpenID, パリ, APIDays, fapi, GDPR, oauth, PSD2, 情報銀行

API Days Paris は、API Days のメインイベントで、今回が5回目になります。1200人以上のAPI実務家やエキスパートが世界中から集まります。今回は1月30日, 31日に Cite Internationale で開催されます。

今回のテーマは「社会と持続可能なビジネスのための持続可能なソフトウェア (Sustainable Software for a Sustainable Business and Society)」。換言するならば、どのようにしたら

  1. 品質が良く長期間に渡って利用可能
  2. 進化し続けうる
  3. 強靭で
  4. 長期的視野に立ち
  5. ビジネスと社会の要件に適合する

ソフトウェアを作り出すことができるかということになります。

1日目は、API Lifecycle全体について検討します:

  • API戦略, APIマネタイゼーション, API管理によるデジタル・トランスフォーメーション
  • API設計, REST, GraphQL, APIガイドライン, APIバージョニング
  • APIテスティング, APIモニタリング, サーバーレス
  • マイクロサービス・アーキテクチャ, コンテナ
  • APIドキュメンテーション, デベロッパー・エクスペリエンス, デベロッパー・ポータル
  • APIセキュリティ, アクセス・レベル管理, OAuth, OpenID Connect

2日目には、以下のトッピクスについての産業別の話をします:

  • 銀行APIとPSD2
  • IoTと物流APIs
  • 機械学習APIsとチャットボット
  • 市民APIと政府2.0
  • GDPR, ユーザー・データとプライバシー

わたしはまた、例によってFAPIの話をする予定です。セキュリティの話なので、1日目かな…1。このときは、1月13日の英国のカットオーバーの話もできるかもしれませんね…2。ヨーロッパにおられる方は、その場でお目にかかりましょう。

API Days Paris ~Build sustainable technology, business and society with APIs, Microservices and Containers

Sustainable software for a sustainable business and society

日時:2018年1月30日, 31日
場所:CIte Internationale, 17 Boulevard Jourdan, 75014 Paris, France
URL: http://www.apidays.io/events/paris-2017

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超優秀なプレイヤーは「出世」という名の転職をさせてはいけない

この記事1の言うこと、当たり前のことなんだけど、日本の企業はできてないところが多い。

敢えてこの記事に苦言を呈すなら、そもそも出世の軸が違う。

管理職とプレイヤーというのは、単に職種の違いであって、本来は管理職になることは「転職」であり出世では無い。記事では野球選手の例が出ているが、もっと分かりやすいのがクラシック音楽。まさか、音楽事務所のプレイヤーがマネージャーになることを出世と考える人はいないだろう。逆にマネージャーがプレイヤーになることも考えられない。マネージャーとプレイヤーの間で行き来できるというのは、どっちもプロとしては低レベルだからだ。逆に言えば、日本の企業はアマチュアなんですね、どっちも。

それぞれの職種毎に出世の道を作って行くのが正しいと思う。当然プレイヤーを極めた人は、管理を極めた人と同格で、その逆も真なんだよね。

 

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11月30日(木) 13:30〜 情報処理学会 短期集中セミナー 「プライバシーフレンドリーな社会に向けて」

来る11月30日(木) 13:30〜行われる情報処理学会 短期集中セミナー 「プライバシーフレンドリーな社会に向けて」に出ます。

わたし以外は錚々たるメンバーで、技術のみならず、法律、社会、ビジネスといろんな角度からプライバシーを議論する予定です。
特に、明治大学でビジネス倫理を研究されている村田潔先生は、国内ではほとんど講演されないので、貴重な機会!

日本にしてはちょっと大人の価格設定になっていますがご参加いただき、一緒にプライバシーを考える機会にしていただければ、幸甚です。

【開催日時】
2017年11月30日(木)13:30~17:30[受付時間:13:00~ 開催会場前]

【プログラム】

  • AI、データエコシステム、プライバシーの交差点 …クロサカタツヤ(慶應義塾大学)
  • プライバシーの尊重と個人データ保護の微妙な関係 …崎村夏彦(野村総合研究所)
  • 若い世代とプライバシー …折田明子(関東学院大学)
  • 広告・マーケティング業界でのプライバシーとの付き合い方 …伊藤直之(インテージ)
  • プライバシー保護再考:パラドクスを超えて …村田潔(明治大学)
  • +パネル討論

▼▼▼セミナー詳細・お申込はこちらから▼▼▼
https://www.ipsj.or.jp/…/s-…/2017/PrivacyFriendly/index.html

【開催概要】
ITを活用したサービスを提供しようと思っても、「プライバシーが」という
一言で断念してしまった経験はありませんか?
本セミナーでは、プライバシーの概念に正面から向き合い、具体的に何が問
題とされているのか、どのような手段を採用すればユーザにプライバシーフ
レンドリーなサービスが提供できるのかについて議論を深めます。

【開催会場】
化学会館7Fホール [〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台1-5]

【参加費】
正会員:10,000円(税込)
非会員:12,000円(税込)
学 生:5,000円(税込)

【問い合わせ】
一般社団法人 情報処理学会 事業部門
e-mail:event@ipsj.or.jp
TEL:03-3518-8373(直通)

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のだめデビューコンサートの場所は?異色だけど良い演奏?

  • 2017/11/12 17:10
  • sakimura
  • .Nat Zone in のだめカンタービレ, ロンドン, 音楽, Chopin, ショパン, ツィマーマン

さて、ミルヒことシュトレーゼマン指揮のイギリスの一流管弦楽団でショパンのピアノ協奏曲第1番を弾いてデビューするのだめですが、このホールはどこでしょうか?『のだめカンタービレ#22』P.65にヒントがあります。

 

これもまぁ、完全一致ですね。ということは、「イギリスの一流オーケストラ」は「ロンドン交響楽団」ですね。

ショパンのピアノ協奏曲第1番は、ショパンが故国ポーランドを後にする告別コンサートのために書かれた曲です。壮大なオーケストラだけの序奏の後に、ピアノが「バーン」と入って来ます。そこでのだめはいきなりリハーサルとはまるで違って「えっ 遅っ… なんつー独創的な演奏!」(原作P.79〜81)を展開するわけですが…。実写版映画ではそうでもないのですが、アニメでは忠実的に、めったにないような遅いテンポで演奏します。

実は、わたしはこの曲あんまり好きじゃなかったんですね。ピアノはきれいなんだけど、オーケストラが薄いしな〜、ピアノにたいしてオケが取ってつけたようだよな〜同じショパンでも後期と比べると曲としての密度がなぁとずっと思っていました。それが、アニメ版を聴いて、「ん?これは今まで思い違いをしていたかもしれないぞ」と思い始めたのですね。それで、片っ端から音源を当たり始めました。そしたらありましたね〜、スゴイ音源が。これです。「ぎょっとするほどの強烈な個性」との評もあった演奏です。

 

ちょっとまずピアノの出だしをYoutubeで聴いてみてください。

これねぇ、評価が別れる演奏だと思います。人によっては「下品」という人もいるでしょうが、スゴイです。1999年発売ですから二ノ宮知子さんもひょっとするとこれを聴いてぎょっとして、「えっ 遅っ… なんつー独創的な演奏!」という表現を見出したのではないかとすら思えるほど。だって、「これじゃまったく違う曲だ」「でも……すごくいい‥!!ピアニスティックなパッセージを即興的に情感豊かに弾きあげる」(P.82)「そして 一音一音の美しさ 音楽の強さがあっという間に人を引き込んでいく」(P.87〜88)等々、全部当てはまるのだもの。

さらに、この演奏はオケの表現も面白くて、いままで感じていた薄さを感じさせない。若かりし頃にショパンコンクールで優勝したポーランド人ピアニストがポーランド人オーケストラを率いてたどり着いた一つの到達点がここにあると言っても良いでしょう。

なお、上記のYoutubeだと広告が入ってしまい台無しになります。鑑賞にはちゃんとCDなりストリーミングなりで購入して聴きましょうね。

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のだめカンタービレの三善のアパルトマンのロード・オブ・ザ・リング門に行ったらそこは…

「のだめカンタービレ#10」P.47、パリのアパルトマンにつくとのだめは「ふぉぉ〜〜〜」と声をあげます。「こんなお城に済むんですか?!だってこの門ロード・オブ・ザ・リング…」。

この門、ピカソのアトリエがあったサン・ミッシェル広場のそばのRue Christineにあります。探すのにだいぶ苦労しました。「のだめカンタービレの旅」というページのおかげでだいたいの場所はわかっていたのですが詳しくは分からず、そのあたりをしらみつぶしに歩いて見つけました。見てみましょう。こんな感じです。

 

ドンピシャですね。残念ながら、2階以上の部分は違いますけどね。

アパルトマンに到着し、まずはのだめの部屋でピアノにさわり、調律されていないことにずっこけた後、隣の部屋になる千秋の部屋のピアノと部屋の響きに「音が…違う、千秋先輩は…こういう音を聴いて育ったんですね。はうー…」とのだめは言います。「なんか弾けよ」千秋にそくされ、のだめはラヴェルの「鏡」を弾き始めます。

組曲『鏡』はモーリス・ラヴェルが1905年30歳のときに作曲した5曲より成るピアノ曲です。初演は1906年1月6日パリ国民音楽協会演奏会においてリカルド・ビニェスにより行われました。各曲は、ラヴェルが所属していた新しい芸術を支持するパリの若い芸術家集団「芸術的ごろつき(アパッシュ)」のメンバーに献呈されています。

  1. Noctuelles
  2. 悲しげな鳥たちOiseaux tristes
  3. 海原の小舟Une barque sur l’océan
  4. 道化師の朝の歌Alborada del gracioso
  5. 鐘の谷La vallée des cloches

原作ではこの内どれを弾いたのか明らかではありませんが、アニメ版では第4曲「道化師の朝の歌」を弾いています。ここでは、トロント王立音楽院をグレン・グールドについで2番めに若く卒業(13歳)したピアニスト兼麻酔医のナイダ・コールの演奏を紹介しておきましょう。テンポも速く、まんまるの音が飛び散っていく演奏は、のだめの演奏もかくやと思わせる演奏です。

さて、この「ロード・オブ・ザ・リング門」ですが、中はこんな感じになっています。(ちょうど工事中だったので車両がいっぱい…。)

ここは実は、Le Christine という、リーズナブルで美味しいレストランの中庭です。

千秋の呪文料理もこんな感じでしょうか。

さらに、その隣は高級ホテルRelais Christineになっています。機会があれば泊りに行ってみたいものです。

 

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「グランフィール」〜アップライトピアノでグランドみたいな音を出すためのメカニズム

これはちょっとすごいかもしれませんね。鹿児島の藤井ピアノサービスが開発した「グランフィール」。

グランド・ピアノはレピティションメカニズム1を持っているので1秒間に13〜14回同一音を鳴らすことが出来ますが、アップライトはできません。

また、グランド・ピアノは重力でハンマーが下がるため、弦を叩いてからハンマーが離れるまでの時間が短く、弦を抑えないため、豊かな倍音が出ます。これに対して、アップライト・ピアノはハンマーが横方向に動くため重力を上手く利用できず、弦をハンマーが抑えてしまい、倍音が少なくなります。その為、音に華やかさがなくなります。

これらの問題を解決したのが、藤井ピアノサービスの「グランフィール」です。これは、各ハンマーに2つのバネを装着することによって、ハンマーの動きを改善しているもので、1秒間14回の連打と、豊かな倍音を実現しています。

通常のアップライトは第5倍音までしか出ていないのに、グランフィールをつけることで第8倍音まで出ている。(出所)藤井ピアノサービス

どのようになっているのか、NHKのこのビデオでよく分かるようになっています。

このようなアップライト機構が早く広まると良いですね。

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